村長からの手紙(前編)

  今年もあとわずか…年の瀬を控えて、1年を振り返る意味で、一通の手紙を読み返している。私が学生時代から今に至るまでお世話になっているNPO子どもネットワークセンター天気村の代表“村長”こと、山田貴子さんから頂戴したお手紙である。信書の文面を公開する趣味はないが、山田さんの示唆に富むご指摘と私の返事の一部をアップしておきたい。今回はその前編。

  天気村は、子どもに地域での自然体験や様々な人の交流を経験させるとともに、親の子育て支援など多様な活動を行っている。最近の活動に、古民家Z再生プロジェクトというものがある。滋賀県大津市の葛川(漢字の表記は正確ではない)、細川にある古民家の改修、再活用を中心に、様々な人的・物的・地域資源を生かし、関係性の構築を目指している。
私自身は昨年、たった半日だが、ログハウス作りに必要な木材を運ぶ手伝いをした記憶がある。古民家に到着してからいただいたスタッフ“のっち”のおにぎりもおいしかった。

  「無事ログハウスは再生し、これから、五右衛門風呂を作っていく予定です。この夏も2回暮らし合宿をしましたが、地域の方から間伐材をいただき昼夜の炭作りを体験したり、川に仕掛けをして、特大天然うなぎ!を捕獲。さばいて命をみんなでいただきました。体験を通して自然との繋がり、命の繋がり、持続可能な暮らしを身体知した思い出となりました。

  地元の方々との、暮らしのリズムに子どもたちもすっかり馴染み、地元の遊びだった たいごろう…という遊びに夢中。安曇川に大岩があり、そこから勇気を出して飛び込む伝統遊びです。体験して変わる、変化する、成長していくその変化の状況、状態、エネルギー、エネルギー源みたいなものが見える瞬間に感動している自分がいて、そこにあるだけの大岩の存在がなんと美しくみえたことか、ただ訳もなくそこにあることゆえのエネルギーを子どもたちが受け入れて、変わる瞬間の美しさに感動してしまいました。」